「え、これ方言だったの?」「え、これ東京で使っちゃいけないの?」と愛媛県民なら誰でも思う方言ランキングをご紹介します!
私が東京での大学生時代に実際に使用してしまい、まったく意味が通じず笑われてしまったもの、悲しい思いをしてしまったものや、様々な誤解を生んでしまう面白い方言、変な語感の方言をピックアップしました!今回は面白い愛媛弁をご紹介いたします。
面白い愛媛弁★笑われちゃう方言のセリフ10選
面白い愛媛弁①ラーフル
方言の意味:黒板消し・黒板拭き
愛媛県では、黒板のチョークを消すあの道具のことを「ラーフル」と言います。もともとはオランダ語の言葉ではないかと言われていますが、はっきりとした語源はわかっていません。この言葉は鹿児島県や宮崎県でも広く使われているようですが、その他の地域ではほとんど使用されていないようです。
私が通っていた大学にはよく使っているものを落とす教授がおり、その方が1コマの講義中に何度もこれを地面に落としていたため、一緒に授業を受けていた都民の友人に「あれじゃ、ラーフルがかわいそうよね。」と話しかけたのですが、全く通じず、かわいそうな人を見る目で見られてしまったことは忘れられない思い出です。
面白い愛媛弁②とりのこようし
方言の意味:模造紙
誰もが使ったことがある、いわゆる模造紙ですが、愛媛県では「とりのこようし」と呼ばれています。略して「とりのこ」と言うことも多々あり、県内の学校ではグループで行った活動をまとめる際には、「とりのことマッキー取ってきて!」という声を教室の至るところで耳にします。
さて、そんな環境ですくすく育ってきた私は東京でやらかしてしまいます。大学1年生の時、講義のグループ活動でプレゼンテーションをすることになり、グループリーダーになった私。お互いにまだほとんど話したことすらなく重い雰囲気のグループ。なんとか準備を進めなければと考え、私が最初に発した言葉は「今度のプレゼン、とりのこにまとめる?それともパワポ(Microsoft Powerpointの意 )にする?」というもの。その発言はグループ内に爆笑を生み、みんなで協力して作業を進める雰囲気を作ってくれました。その後、私のあだ名は「とりのこ」になってしましましたが……。
面白い愛媛弁③しゃがれる
方言の意味:(車などに)轢かれる
「赤信号で横断歩道を渡ると、車にしゃがれるけん危ないよ!」と小さいころから大人に注意を受けてきた愛媛県民にとって、「しゃがれる」という言葉はとっさに出てしまう言葉の1つ。
大学3年生のある夜のこと、お酒を飲んだ帰り道に、ある友人がよった勢いでふざけて線路内に飛びこんでしまったことがありました。幸い電車も来ておらず、友人に怪我はなかったのですが、あまりに非常識な行為に思わず切れてしまった私。「お前、いきなり飛び込んで、もしあのまま電車にしゃがれたらどうするつもりやったんぞ!あんなことしたらいけんやろうが!」と叱りつけてしまいました。飛び込んだ友人はしょんぼりしていましたが、その場に居た他の友人は、普段標準語しか喋らない私が方言丸出しで怒っているのが面白かったらしく、ずっと下を向いて笑っていました……。
面白い愛媛弁④かまん
方言の意味:構わない、問題ない
温厚な愛媛県民は大抵のことなら「かまんよ!」の一言で請け負ってしまいます。あるお正月、冬休みに愛媛県の実家に帰省した私に、突然後輩から電話がかかってきたことがありました。後輩曰く、「ちょっとご相談したいことがあるので、帰省から帰られたら会ってお話できませんか」とのこと。深刻そうな声で電話をしてきたため、少し心配になりつつ、私はつとめて明るい声でこう返答しました。「かまんよ〜!とりあえず元気出せよ!」その後、後輩はとても怪訝な様子で電話を切ってしましました。
後で聞いたところ、後輩はその言葉を「Come on, yo!とりあえず元気出せよ!」という意味で受け取っており、「ほんとにこんな軽い人に相談しても大丈夫か、不安になった」と語っていました。私にとって、とても業の深い方言です。
面白い愛媛弁⑤かやす
方言の意味:こぼす、ひっくり返す
「かやす」という方言は愛媛以外の地域でも使われるようですが、その土地土地で違った意味で使われているようです。愛媛県では主に「そのコップに水が入っとるけん、かやしたらいけんよ!」のように、何かをこぼす、ひっくり返すという意味で使われます。
一方、大阪など関西圏の一部ではこの言葉を「借りたものを返す」という意味で使うそうです。ある日、私の家に遊びに来た大阪出身の友人が私に「この本、図書館のなんやけど、かやしといてや!」と言ってきました。私は何を頼まれているのかわからなかったのですが、とりあえず「いいよ!」と受け取り、その本を何度かひっくり返してみました。その場が変な空気になったのは言うまでもありません。
面白い愛媛弁⑥かるう
方言の意味:背負う
愛媛県民にとって、ランドセルやリュックは「かるう」ものです。そして、多くの愛媛県民はこの言葉を方言だとは認識していません。「かるう」は愛媛県と地理的に近い九州や中国地方でも使われている言葉だというのも、この言葉が方言だと思われない一因でしょう。
私は大学に行く際にリュックを毎日使用していたのですが、ある日、リュックを持ってくるのを忘れてしまったことがあります。その時友人に「今日はリュックをかるってくるのを忘れちゃって」と言ったところ、関東出身の友人には全く通じないのに九州や中国地方出身の友人にはきちんと通じており、一時的に関東出身の友人がアウェイなムードになったことを覚えています。
面白い愛媛弁⑦やおい
方言の意味:やわらかい
この言葉は「今日のお米、やおいね」とか「身体、めっちゃやおいやん!」のように、様々な意味で「やわらかい様子」を表現するために使います。愛媛県民としても、この言葉がきちんとした標準語だとは思ってはいないのですが、「美味しい」に対する「旨い」という表現のように、少し俗っぽいだけで、全国的に使用されている言葉だと思っている節があります。
さて、やおいという言葉は現在、ボーイズ・ラブを表す名詞として使われています。そのため、私は最近、やおいという方言を聞くたびに少し身体がむずむずする感覚におそわれます。決して、愛媛県民全員がボーイズ・ラブが好きというわけではありませんので、そこはご了承ください。
面白い愛媛弁⑧もせつく
方言の意味:まとわりつく
「もせつく」はなかなか標準語で代替がきかない言葉です。「晩御飯つくらないけんのに、子供がもせついてきて困ったんよ」とか「こんなに暑いのにもせついてくるな」のように、何か生き物がくっついてくる場合に使用します。
恋人同士が駅などで自分たちの世界に入っていちゃいちゃしている様子は、もせつく以外の言葉で端的に説明するのは難しいです。この言葉は語感とは裏腹に、どこか愛情を感じる、魅力ある伊予弁です。
面白い愛媛弁⑨むつこい
方言の意味:胸焼けがするような、味が濃い
この言葉も標準語ではしっくりくる表現がない言葉です。ファストフードやジャンクフードを食べ過ぎた際に、「むつこい感じがする」のように使います。また、とても味が濃い食べ物を食べた際に、「このパスタのソース、けっこうむつこいね」のようにも使います。多くの愛媛県民はこの言葉も標準語だと思っています。
大学時代、全国に多くのファンを持つ「ラーメン二郎」にはまっている友人がおり、よく私も二郎に連れて行かれていました。ラーメン二郎を食べ終わった後の感覚は、むつこいという表現がぴったりで、どうしてこんなに便利な表現が東京では使われていないのか不思議に思っています。ぜひ、むつこいが全国に知られてほしいと私は願っています。
面白い愛媛弁⑩ひやい
方言の意味:冷たい
「ひやい」という方言は愛媛県のみならず、四国・中国地方で広く使用される言葉です。ですが、自動販売機に「ひやい」という言葉が使われているのは、愛媛県だけだと思います。
松山城に設置されている自動販売機は夏場には「今日も暑いぞな。ひやいジュースでもどうぞな」と語りかけてくれます。この自販機は他にも44パターンもの伊予弁で語りかけてくれるので、この記事を見て愛媛の方言に興味を持ってくれた方は、ぜひ訪れてみてください!
最後に
愛媛県の方言と言うと、関西弁のようにメジャーな方言ではないため、あまり馴染みのない方が多いと思います。そんな人にも愛媛の方言を知ってほしいと思い、愛媛県民の使用頻度が高い言葉を厳選してみました。
自分は東京にいるときにばっちり標準語が喋れていたと思っていましたが、あらためて考えてみるとけっこう方言が出ていたことを思い知らされます。恥ずかしいなあ。でも、そんなところも含めて自分の方言が好きです。これからも愛すべき方言を使っていきたいと思います。
面白い愛媛弁★笑われちゃう方言のセリフ10選
①ラーフル 方言の意味:黒板消し・黒板拭き
②とりのこようし 方言の意味:模造紙
③しゃがれる 方言の意味:(車などに)轢かれる
④かまん 方言の意味:構わない、問題ない
⑤かやす 方言の意味:こぼす、ひっくり返す
⑥かるう 方言の意味:背負う
⑦やおい 方言の意味:やわらかい
⑧もせつく 方言の意味:まとわりつく
⑨むつこい 方言の意味:胸焼けがするような、味が濃い
⑩ひやい 方言の意味:冷たい