広島弁の悪口⑪ありゃーいけんで
「ありゃー」はあれはと物や人を指す代名詞です。
物を指す場合には「ありゃーどこに置いたっけ」や「ありゃーないと困るで」などと言います。
人を指す場合には「ありゃー今何しとるんや」や「ありゃーに頼んだらええよ」などと言います。
「いけん」はダメだという意味で、「この道具じゃいけんわ」や「あいつに任せたらいけんわ」などと否定するのに使われます。
二つを繋げて「ありゃーいけんで」という時にも物が壊れて使えない時に使ったり、役立たずな人に対する悪口としても使われます。
広島弁の悪口⑫ひっつきもっつきみたいについてくなや
子供の頃に外で遊んでいると服にくっついてきた種があったと思います。オオオナモミなどの草の種のことなのですが、広島弁では服にくっついてくる種を総称して「ひっつきもっつき」と呼びます。
種のことを指す方言ですが、比喩として人に対しても使うことがあります。
しつこくついて来る人に対して「ひっつきもっつきみたいについてくなや」と追い払うために言います。「くなや」は来るなという意味です。
嫌がってもついて来るしつこい人に対して、けなしつつ追い払うような言葉です。
広島弁の悪口⑬あいつは いちがいじゃけえ たいぎい!
「いちがい」は頑固という意味です。考えをなかなか変えない人や一度言い出したら人の意見を聞かないような人に対して、「あいつはいちがいじゃ」や「いちがいなことばっかり言うなや」というように使われます。
「じゃけえ」は〜だからという意味です。
「たいぎい」は面倒という意味で、「授業がたいぎい!」などのように日常的に使われる言葉です。特定の人の相手が面倒な時には「あいつはたいぎい」と、人に対しても使います。
広島弁の悪口⑭よう行けれんとはおそれじゃのう
「いけれん」は行けないという意味です。誘われたけれど予定があって行くことができない時などに、「その日は忙しいけえよういけれん」と断る場合にも使ったり、相手に対して「あんたいけれんのんか」と言ったりします。
「おそれ」は臆病や恐がりという意味になります。
雰囲気の悪い場所に行くのを怖がる人や、ちょっと話しかけづらい強面の人のところへ行くのを恐がっている人に対して「よういけれんとはおそれじゃのう」と悪口として言ったりします。
どちらも標準語と比べてほとんど言葉が似ているので、初めて聞いても意味はわかるかもしれません。
広島弁の悪口⑮たんびゅう文句言ってくるがどしたんや
「たんびゅう」はたびたびといった意味で、「たんび」とも言います。
「たんびゅう行ったけど留守だった」や「たんびお世話になってます」など日常でもよく使われます。
「どしたんや」はどうしたんだという意味です。
体調が悪そうにしている人に対して「しんどそうじゃがどしたんや」と心配して使うこともありますが、相手に対して怒る時にも「あんたどしたんや!」や「それがどしたんや!」と怒鳴ることもあります。
相手を気づかって使えば時には喧嘩でも使ったり、言い方によってシーンを選ばない言葉です。
最後に
日常では暖かみを感じられたり女の子が話すと可愛らしさもある広島弁ですが、一度喧嘩が始まったり相手の悪口を言う場面になると一気に恐い印象の言葉が飛び交います。
特に口調が強まると荒っぽさが急に出てくるなど、映画やアニメなどの登場人物とほとんど変わらない言葉使いになるため他県の方からすると恐いイメージを持ってしまうのも納得できます。
喧嘩さえしなければ広島弁は独特で面白さもある言葉なので、広島弁の人とも安心して仲良くなってもらえたら幸いです。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。