“清水の舞台から飛び降りる”など、ことわざにまで使われるほど有名な、京都有数の観光地、清水寺。修学旅行や京都旅行で何度も訪れた事があるって人、多いのではないでしょうか。でも、あまりに有名すぎて逆に知らないことも多いかも。そこで、一般的にはあまり知られてない“清水寺トリビア”をご紹介します。これを知ったら、もう一度清水寺に行きたくなること、間違いなし!
「清水寺(きよみずでら)」
所在地:京都市東山区清水1丁目294
拝観料:大人(高校生以上): 400円 小・中学生: 200円
アクセス:京阪電車「清水五条駅」下車 徒歩25分/市バス各系統「清水道」「五条坂」バス停下車 徒歩10分
京都で清水寺観光に行く前に知っておきたい10のこと
清水寺トリビア①世界中に発信されている事実【世界遺産である】
ひとつめはかなり有名なトリビアから。清水寺は1994年に日本で5番目に世界遺産に指定されました(京都古都の文化財のひとつとして)。もともと修学旅行生をはじめ、日本国内からの旅行客には人気の観光地でしたが、世界遺産に指定されたことで訪日観光客からも注目され、観光客数が一気に増えました。
清水寺トリビア②名前の由来のお水【音羽霊水】
参照(http://www.kiyomizudera.or.jp/yodan/vol4/)
「清水寺」の名前の由来は案外知られてないようです。奈良時代の僧、延鎮上人が観音さまから夢で告げられたことを頼りにたどり着いた地にあったのが、今も境内の奥にある「音羽の瀧」で、清水寺の名前はこの清らかな水から名づけられたといわれています。
このお水は音羽山の断層の岩盤から湧き出した不純物の混入が少ないミネラルウォーターで、水温は11~12℃、硬度が低い軟水で、有機物質量がゼロに近いという水質結果が出ています。
この清水をボトルに詰めて祈祷したものが「音羽霊水」で、境内で販売されていますからお土産にいいかも。
清水寺トリビア③清水の舞台から飛び降りた人のリアルな統計データ
「清水の舞台から飛び降りる」=固い決意で物事を行なう、という意味でつかわれる清水寺の舞台。実際に飛び降りた人がいるんでしょうか。
お寺に残る記録では江戸中期から、禁止令がだされる明治直前までに235件の飛び降りがあったそうです。が、その人たちの生存率は85%。年齢別では10代~20代が全体の半数以上を占め、最高齢は80代だったそうです。
その時代は自殺というより、「清水の観音さまに一心に祈って飛ぶと、命も助かり願いも叶う」という迷信による“願掛け”の一種だったようです。地上約12メートルの4階建てのビルに相当する清水の舞台、歴史やフィクションを真に受けて飛び降りたりすることの無いように。お寺さん側からも「重大な決心は心の中で」と御達しが出ております。
清水寺トリビア④ご本尊はなかなか拝顔できません【十一面千手観音】
清水寺のご本尊は十一面千手観音様です。でも、清水寺行ったことあるけど、ご本尊をちゃんと見た記憶がないなーって方が多いのでは。そうです、こちらのご本尊は秘仏で、普段はこのご本尊を模した御前立仏(おまえだちぼとけ)を拝んでいる形となっています。
ご本尊の御開帳は33年に1度、直近では2000年に御開帳がありましたので、次の通常開帳は2033年となります。が、特別開帳も不定期にありますので、ご本尊を拝顔したい人はこまめに情報をチェックしてみてください。
清水寺トリビア⑤ここは見逃せない!参拝おすすめポイント【出世大黒天像】
音羽山の中腹、13万m2の境内に広がる清水寺には、見どころがいっぱいあります。その中からとっておきをご紹介。その1として「出世大黒典像」。ニコニコとしたお顔と黒頭巾、左肩の宝物袋と右手の打ち出の小づちを持つスタイルは、いかにもご利益がありそうです。
現在のお姿は2008年に修復されたもの。室町時代の大黒さんスタイルを忠実に再現されたものだそうです。清水寺のご本尊の観音様の御利益と相まって、立身出世がかなうかも。
清水寺トリビア⑥ここは見逃せない!参拝おすすめポイント【弁慶の爪痕】
参照(http://www.kiyomizudera.or.jp/info/index.html)
本堂の窓の下あたりに、横に深い筋状のあとが残っています。あまりに深さに「弁慶が指でなぞってつけたのでは」と言われています。が、本当は昔、夜中に御百度参りをする人々が道を間違わないように、指や数取りの串やしきみでなぞった跡、だとか。
今のように街灯や懐中電灯があるわけもなく、暗闇の中を山中の本堂にあがり、願掛けをするために御百度を踏んでいた、たくさんの人たちの信仰の深さがしのばれます。
清水寺トリビア⑦車いすでもお詣りができます【バリアフリー化】
清水寺は山の中腹にあり、三門から先も階段が多く、身障者の参拝は難しいのでは、と思われがちですが、十数年前からバリアフリー化に取り組んでおられます。今現在は高低差はあるものの、参道の舗装やスロープを設置したりして、境内をぐるーっと一周、車いすで回れるようになっています。
今後は本堂内やその他の建物にもバリアフリー化を推進していくらしいです。身障者の方々も境内に入ってお参りできるのはうれしいですね。
清水寺トリビア⑧心穏やかな一日の始まりを【観音経読誦会】
参照(http://www.kiyomizudera.or.jp/about/teach.html)
第二・第四日曜日の朝7時(冬場は7時半)から大講堂の円通殿で観音経のおつとめ(読誦会)があり、誰でも参加できます。また読経の後は仏教文化講座も開かれます。お経をあげることが出来なくても、早朝の清らかな空気の中でお経を聞きながら座っているだけでも、心穏やかな気持ちよさに満たされます。京都に泊まるなら、ぜひ早起きして参加してみてください。
清水寺トリビア⑨清水寺観光でお世話になります【清水寺門前会】
清水寺には末寺も檀家もないのですが、最強のサポーターとしてお寺からも絶大な信頼を置かれているのが「清水寺門前会」です。御門前から清水坂に沿った26の店舗が、単に自分たちの繁栄や互助だけにとどまらず、清水寺の諸々の行事や防犯に協力、参画しておられます。
お寺の行事のお手伝いはもちろん、警備や年に数回の自主的な防火訓練など、お寺と門前町両方の繁栄と共存をはかっておられます。清水寺を安心して楽しく観光出来るのは、こういう縁の下の力持ちがいてくださるおかげですね。
清水寺トリビア⑩千日分のご利益をいただける【千日詣り】
願い事をかなえるためには1000日間お詣りをしないといけないところ、ある特定の一日にお詣りすれば千日分のご利益をいただける、ということで、源氏物語や枕草子の時代から行われていたと言われている“千日詣り”。清水寺の千日詣りは毎年8月上旬です。この時期にお詣りしてちゃっかり千日分のご利益をいただいてしまいましょう。ちなみに2017年は8月9日~16日です。
最後に
日本のみならず世界中から多くの観光客が訪れる清水寺。見どころ情報はいろんなところで調べることができますが、地元民しか知らない、あるいは行ってみないとわからない情報をトリビアとしてまとめてみました。時期が限られるものもありますが、ぜひご参考にして、一味違った清水寺観光を楽しんでくださいね。
京都で清水寺観光に行く前に知っておきたい10のこと
①世界遺産である
②音羽霊水
③飛び降りた人のリアルな統計データ
④十一面千手観音
⑤出世大黒天像
⑥弁慶の爪痕
⑦バリアフリー化
⑧観音経読誦会
⑨清水寺門前会
⑩千日詣り