北海道の地名の8割はアイヌ語が由来ということで、なかなか耳慣れないものも多いですね。道産子でも初めて見る地名には読めないものもありますよ。その中でも「読めない!」難読地名にちょっとした土地の案内をつけてご紹介します。北海道ドライブの際にはぜひ探してみてください。
北海道の難解地名★あなたは読める?変な読み方10選
北海道の難解地名①興部
「おこっぺ」と読みます。由来はアイヌ語「オウコッ・ぺッ(川尻の合流しているところ)」から。小さな町ですが酪農が盛んで、メグミルクの工場もあるんですよ。ちなみに「おこっぺ牛乳」という地酒ならぬ地牛乳が有名ですが、ビックリするほど美味しいです。ぜひこの地名を覚えてください!
北海道の難解地名②幣舞
photo by Hajime NAKANO
「ぬさまい」です。読めませんね。由来はアイヌ語「ヌサ・オマ・イ(イナウを捧げるところ)」から。イナウってなんやねん、と調べると「稲穂状のアイヌの祭具」でした。釧路市にある町の名前ですが、実はちょっとした名所があります。この町の幣舞橋という橋、札幌の幌平橋・旭川の旭橋と並ぶ北海道の三大名橋なんです。なるほど!
北海道の難解地名③梨野舞納
「りやむない」です。だんだん当て字の名前に見えてきました。由来はアイヌ語の「リヤム・ナイ(年を越す川)」から。そのままの当て字ですが、どの漢字を当てるか考えた昔の人も大変だったでしょうね。積丹半島の付け根、岩内に近いこのあたりはタラコの産地。ゆるキャラグランプリで準優勝した「たら丸」もいますよ!
北海道の難解地名④真狩
「まっかり」と読みます。アイヌ語で「マク・カリ・ペッ(奥で曲がる川)」という言葉が由来の真狩村は、蝦夷富士こと羊蹄山の南麓に位置する風光明媚な村です。ニセコのすぐ近くなのでスキーに行く方は看板等を目にしているかも!?そして、この村は大スター細川たかしの出身地。熱唱する細川たかし記念像もお見逃しなく。
北海道の難解地名⑤椴法華
「とどほっけ」と読みます。由来はアイヌ語で「トトポケ(岬の陰)」。函館にあるこの地名、耳で聞くと「トド」に「ホッケ」と北海道らしいイメージですね。以前は村でしたが、現在は函館市に合併されています。岬の陰だけあって、渡島半島の本当に先っぽにあります。さすが本州に近い土地だけあり、縄文時代の遺跡もあるそうです。
北海道の難解地名⑥別寒辺牛
「べかんべうし」です。由来はアイヌ語の「ぺカンペ・ウシ(ヒシのあるところ)」より。ヒシとは水面に浮かぶ水草です。牡蠣で有名な厚岸町にある地名ですが、字の感じからとても寒い、吹きっさらしの牧場にいる牛を連想してしまいます。しかし厚岸は冬季は雪が少なく晴れの多い土地。だからこそ牡蠣・ホタテ・ウニ・あさりが美味しく育つんですね。
北海道の難解地名⑦漁太
「りょうた」ではなく「いざりぶと」です。海辺の地名に思えますが、恵庭市と言う札幌市と千歳市の間にある市の中の地名です。北海道には「太」のつく地名が多く、これはアイヌ語の「プトゥ(河口)」、川の合流地点を意味します。実際に漁太は漁川と千歳川の合流地点にあり、恵庭近辺には牧場と畑が多い北海道らしい風景が広がります。
北海道の難解地名⑧占冠
「しむかっぷ」と読みます。アイヌ語で「シモカプ(とても静かで平和な上流の場所)」という穏やかな意味を持つこの地は北海道の中央部に位置し、あの「トマムリゾート」のある村。スキーをする方にはお馴染みでしょうか。大平原にそびえるツインタワーのホテルには、いつか泊まってみたいですね!
北海道の難解地名⑨来止臥
「きとうし」と読みます。由来はアイヌ語の「キト・ウシ(ギョウジャニンニクのあるところ)」と、道民の愛する山菜の名前を堂々と付けた地名です。ちなみにギョウジャニンニクのことを北海道ではアイヌねぎとも言います。香りが強く歯ごたえのあるこの山菜、マグロと一緒に醤油漬けにすると、なまらうまいんですよ。
北海道の難解地名⑩旅来
「たびこらい」と読みます。なんだかライダーやさすらいの旅行者の郷愁を誘うロマンチックな地名。アイヌ語では「タプ・コプ・ライ」と言います。「タプ・コプ」には諸説あるものの「ライ」は「死んだ」の意味。ここにはアイヌの戦いの際に負傷し、死の間際に踏舞した酋長の伝説があると言います。悲しくも、北海道らしい勇壮な地名です。
最後に
北海道の難解地名★あなたは読める?変な読み方10選
①興部(おこっぺ)
②幣舞(ぬさまい)
③梨野舞納(りやむない)
④真狩(まっかり)
⑤椴法華(とどほっけ)
⑥別寒辺牛(べかんべうし)
⑦漁太(いざりぶと)
⑧占冠(しむかっぷ)
⑨来止臥(きとうし)
⑩旅来(たびこらい)