埼玉弁に興味をお持ちの方へ!
埼玉県の方言は、関東各県の方言をミックスして形成されています。とはいえ、県民のほとんどは共通語を喋るので、あまり方言というものを意識することはありません。
でも、予期せぬ時に・・・本当に「こんなシチュエーションにまで単語を割り当てなくても良いのに」という予期せぬ時に、埼玉弁はその姿を現すのです。
今回は、山梨出身だった筆者から見た、ちょっと田舎くさい面白い埼玉弁についてご紹介します!
埼玉の方言①「太郎がつっぺったぞ!」
「つっぺる」=「ドブに落ちる」という埼玉弁です。なぜ、ピンポイントでその様な単語が存在しているのは分かりません。筆者は「太郎はつまずいて転んだのかな?」と思っていたのですが、彼はドブに落ちていました。元々「つっぺる」は栃木の方言で、「踏み入る、入る」という意味だったそうです。
埼玉の方言②「お前、何でもうちゃるなよ」
「うちゃる」=「捨てる」です。筆者は「どうして突然、相撲の話(うっちゃり)を始めたのかな」と思っていました。「うちゃる」は群馬でも使われている方言です。やはり群馬でも「捨てる」という意味で使われています。
埼玉の方言③「もっとおっぺせー」
「おっぺす」=「押す」です。「ピンポンをおっぺす」などと使われます。子どもの頃の筆者はこの単語を初めて聞いた時、「『おっぺけぺ』の一種かな」と思いました。「おっぺす」は千葉県でも使われている埼玉弁です。「そんなにおっぺすでねーど!(そんなに押すんじゃないよ!)」という様に使うそうです。
埼玉の方言④「お前はうすらっぺべえだな」
「うすらっぺ」=「嘘」です。つまり、小見出しのセリフは「お前は嘘つきだな」という意味です。筆者は「『うすらっぺべえ』って妖怪の一種なんだろうな。多分、いったんもめんみたいな妖怪じゃないかな」と思っていました。茨城には「うすらっぽ」という「嘘、ボーっとした人」を意味する方言があるそうです。
埼玉の方言⑤「どう?はかいってる?」
「はかがいく」=「はかどっている」です。「はかいってる?」は「墓行ってる?」という意味ではなく、「はかどってる?」と尋ねているわけです。決して「いやぁ、最後に墓行ってから、もうかれこれ5年くらい経ちますかね」と真面目に答えてはいけません。ただの怠け者になってしまいます。茨城には「はかいく」=「はかどる」という方言があるそうです。
埼玉の方言⑥「今日ね、そうなん娘買ったんだ!」
引用:西倉西間堂
「そうなん」=「そうなの、そうですか」という意味です。「そうなん娘」とは、埼玉県深谷市で売られている、お餅の様な銘菓です。パッケージの裏面には「品名 そうなん娘」と書かれています。物騒な響きですが、決して物騒なお菓子ではありません。
埼玉の方言⑦「これ、かんまするの?」
「かんます」=「かき混ぜる」です。筆者の様に「電気アンマするの?」だと思ってはいけません。この「かんます」は比較的多くの県で見られる言葉の様です。栃木や群馬、長野などで使われています。意味はやはり「かき混ぜる」です。
埼玉の方言⑧「部屋かたしといて」
「かたす」=「片付ける」です。この言葉は埼玉弁というよりは、「首都圏方言」です。首都圏方言とは、東京と東京のベッドタウンで使われている言葉です。「かたす」は、首都圏範囲外の山梨出身だった筆者には通じない言葉でした。山梨では「かたす」ではなく「ぶちゃる」と言います。
埼玉の方言⑨「あれ、裏に置いてあるからね」
「裏」=「後ろ」です。筆者の様に裏口や校舎裏まで探しに行ってはいけません。「自分はいじめられているんだ」と思ってしまいました。「後ろ」を「裏」と言う習慣は、栃木にもある様です。「車の裏に乗ってね」と言われても戸惑わない様に覚えておきましょう。
埼玉の方言⑩「うわっぱり取って」
「うわっぱり」=「上着」です。これは筆者にも一発で理解出来ました!しっかり上着を取れましたよ。「うわっぱり」という単語は、意外なことに津軽弁でも使われているそうです。こちらでも意味は「上着」。津軽~埼玉の区間では、既に消えてしまった言葉なのでしょうか?
最後に
「埼玉には方言が無い」と言う人は多いですが、自覚していないだけで意外な言葉が方言だったりするものです。例えば、⑥の「そうなん?(そうなの?)」は、埼玉から東京の若者へと広がっていった埼玉弁。調べてみると面白いですよ。
ちょっと田舎くさい埼玉弁★面白い方言のセリフ10選
①「太郎がつっぺったぞ!」
②「お前、何でもうちゃるなよ」
③「もっとおっぺせー」
④「お前はうすらっぺべえだな」
⑤「どう?はかいってる?」
⑥「今日ね、そうなん娘貰ったんだ!」
⑦「これ、かんまするの?」
⑧「部屋かたしといて」
⑨「あれ、裏に置いてあるからね」
⑩「うわっぱり取って」
以上、最後までご覧いただき有難うございます。