伝わらない甲州弁⑥「気を付けろしね!」
参照:山梨日日新聞電子版
交通情報用の電光掲示板に表示される文言です。「お年寄りの事故が 増えてるだっちゅうよ 気を付けろしね」などと表示されます。また、別の掲示板では「ライトつけろしね」と呼びかけていました。注意を促してくれたのかと思いきや、唐突に「しね」と罵声を浴びせる山梨県。怖い、山梨怖いです。
さて、「(動詞)しね」とは「~してね」という意味です。つまり、「走れしね」は「走ってね」、「ライトつけろしね」は「ライトつけてね」ということになります。
伝わらない甲州弁⑦「今いくじ?」
「育児」と勘違いされることが多い「いくじ」ですが、「何時」という意味です。また、共通語と同じく、「度胸」を表す「いくじ」という意味でも使われています。
男性が女性に対して使う時は、注意が必要なフレーズです。甲州弁を使わない人にとっては「今、育児中ですか?(子どもいるんですか?)」という意味にしかとられません。女性によっては本気で怒り出します。セクハラに厳しい現代、男性陣は気をつけてくださいね。
伝わらない甲州弁⑧「うてげえしすんな」
「うてげえし」とは「言い訳」という意味です。この方言は山梨県内でも地域によっては通じません。全く異なる意味を持っていることさえあります。私の出身地域では「言い訳」という意味でしたが、少し離れた別の地域では「仕返し」という意味で使われていました。「うてげえし食ろうぞ(しっぺ返しがくるよ)」などと言います。
伝わらない甲州弁⑨「犬がくっつくぞ!」
犬がくっつく。犬好きにはたまらないフレーズですが、意味は最悪です。「くっつく」とは「噛む、(虫などに)刺される」という意味があります。
某CMでは「蚊に食われる」県と「蚊にかまれる」県の境界線について紹介していましたが、山梨では「蚊にくっつかれる」と言います。
私の両親が埼玉県内で「蚊にくっつかれそうですね」と言った時、周囲の大人たちにはその意味が通じませんでした。一瞬静まり返り、「…?」という空気が流れたことを、私は子どもながらに感じ取りました。私は絶対に「蚊にくっつかれる」だなんて言わない、そう決意しました。
伝わらない甲州弁⑩「ゴキンドくせぇ」
「ゴキンド」とは「カメムシ」のことです。なぜ山梨ではカメムシをゴキンドと呼ぶのかは不明ですが、子供も大人も口をそろえてゴキンドと言います。見た目に反して強そうな名前ですね。
共通語圏でカメムシのことをゴキンドと呼ぶと、「この人、カメムシも知らないの?」という目で見られます。気を付けましょう。
最後に
意味不明な甲州弁特集、いかがでしたか?山梨県内では、コンビニの店員さんでもバリバリの甲州弁でお話される方が多いです。山梨へ遊びに行く時は、地元民の方言に聞き耳立ててみてください!